DIARY
日々のこと
2016年12月10日
書庫
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本棚のご注文をいただきました。
収納する本は全て決まっていて、入れる本に合わせた本棚です。
お客様のイメージでは本棚というよりは「書庫」。
打ち合わせを重ね、形状に関してはお客様からご提案をいただきました。東京の丸の内にあった松岡正剛さんと丸善さんによる松丸本舗からインスピレーションを得ているとのこと。私も伺ったことがある書店でなるほどと納得しました。
本体は2段重ねで製作。上段は蟻組みという組手を見えるようにし、下段は側面から見た際に組手が見えず上下段の側面の木目が繋がるように、留型包み打ち付け組みを施しました。
内部は棚板は使用せずに、本に合わせた4種類の箱を組み合わせることで書庫内部を有効利用できる仕様となってます。
樹種や素材はこちらから提案させていただきました。
本体は秋田産の山桜を使用し、内箱は千葉県香取市の香取杉を使用。香取杉は今回初めての使用となりましたが、木の繊維の密度が高く杉の特徴である赤色も他の産地のものよりも色の濃い良材でした。
塗装は本体はオイル塗装を施し、内箱は本の出し入れをする際に杉の香りが立つように無塗装としました。
扉は上段はガラスをはめ込み、下段は籐の目詰編みをはめ込みました。
釘等は使用せず組手だけで製作をした、お客様のこだわりが詰まった素敵な書庫が完成しました。