DIARY
日々のこと
2021年4月12日
旅立ち
4月7日に木工の師匠であり、義父でもある長尾隆久が旅立ちました。享年71。まだ若すぎました。
義父である前に師匠であったため、僕はいつもお義父さんではなく長尾さんと呼んでいました。
長尾さんはwoodworkNAGAOという注文家具工房と木工駆け込み塾という木工塾を主宰してました。
広告代理店出身という異色の木工職人で、とてもバイタリティーに溢れ、まだインターネットが普及して間もないころに独学でwebsiteを立ち上げ、日経新聞に取り上げられ、プロを養成するための本格的な木工塾を主宰し、多くの塾生が門を叩き巣立って行きました。
僕もその中の一人。2001年に入塾し、道具の仕立て、鉋刃の研ぎ(まともに研げるまで3ヶ月くらい毎日研ぎました)鉋の掛け方、仕口の墨付け、木材の仕入れ、お客様とのやりとり、見積もりの作成、一通り全て教えていただきました。
入塾した時には想像もしていませんでしたが、ご縁があり娘さんと結婚させていただくことに。
考えてみると僕の生活は公私ともに、木工塾の門を叩いたあの日から始まっていているのだなと。
あるとき、塾生の一人が長尾さんを「遊びの天才」と評していました。木工、ギター、ウクレレ、カメラ、洋服、器作りなど色々なことに夢中になれる長尾さん。いつも何かに夢中な後姿からは、文化を感じ取ることができました。
そちらへ行っても、楽しいことをたくさん見つけてください。
本当にありがとうございました。
ちゃぶ台の祭壇