DIARY
日々のこと
2018年2月10日
六角厨子
素材:神代楡
寸法:W210 D183 H180
お厨子の製作をさせて頂きました。
観音様と御一緒に海外と日本の行き来が多いお客様からのご相談です。
無垢の木は外部の影響を受け伸び縮みをします。海外への行き来の際に気候の違いや気圧等の影響を受け不具合が出ないように、板は全て3枚の板を木目が直行する様に交互に積層させ木の動きが出にくいように配慮しました。木目も狂いの出にくい柾目のみを使用しています。
塗装は下塗りにガラス塗料を施し木の動きをなるべく抑え、上塗りでオイル塗装を施し昨日風合いが出るようにしました。
お客様からは四角い箱型での依頼でしたが、色々と考えた末、日本の成立ちに関わる17条の憲法を制定した際の『和をもって尊しとなす』という項目から和=輪との繋がりをイメージし、輪に近い形の六角を提案させて頂きました。
材は神代楡を使用しています。
神代楡とは長い年月地中に埋まっていた楡材で土の成分が木に入り込み独特の色合を醸し出します。粛々としたお厨子に向いていると考え提案させて頂きました。
金物は京都の金物屋さんに相談して決定しました。
シンプルですが趣のある御厨子となりました。